独白 愉快な“病人”たち

3歳で脳性麻痺 ヴァイオリニスト式町水晶さん明かす“心の闇”

式町水晶さん(C)日刊ゲンダイ

 3歳の時にこの病気がわかり、喘息もあったので、いわゆる病弱な子供でした。

 4歳から療育医療センター(医療型障害児入所施設)に行き、足に装具を着けて車いすで過ごす中、リハビリとしてバイオリン教室に通い始めました。その前はピアノだったのですが、左右の力が均等じゃないことや体幹が傾いてしまうのでボクには不向きでした。

 バイオリンも初めは指先にうまく力を入れられなかった。でも、5歳の時に葉加瀬太郎さんの演奏を見て、「あんなカッコいいバイオリニストになりたい!」と思って猛練習したんです。

 今のボクは純粋に人の役に立つコンサートがしたいと思っていますが、そんな純粋な心境になれたのはここ数年のことです。それまでは「健常者に負けたくない。障害を持っていても弱くないんだ」という“好戦的”な思いが原動力でした。

2 / 5 ページ

関連記事