独白 愉快な“病人”たち

3歳で脳性麻痺 ヴァイオリニスト式町水晶さん明かす“心の闇”

式町水晶さん(C)日刊ゲンダイ

 高校生になると完全に車いすから解放され、大量の薬も徐々に減らし、今は目薬だけで何も飲んでいません。最近、体力が同年齢の運動部員の平均を超えたんです。これ、すごくないですか?(笑い)。10キロ走れる脳性麻痺の人は、日本にボクひとりだけだと思います。 カレーうどんのシミみたいな心の闇が漂白されたのは、たくさんの人のおかげです。「式町君みたいなバイオリニストになりたい」と何度も手紙をくれた少年。「本当の盲目は人の思いやりがわからなくなることよ」と教えてくれた老夫婦。「ボクは障害を持っている人のつらさがわからない」と一緒に涙を流してくれたバイオリンの師匠(中西俊博氏)……。みんなに音楽で恩返しをしたい。あと、人生に一度ぐらいは誰かと“おつきあい”もしたいです(笑い)。

▽しきまち・みずき 1996年、北海道生まれ。3歳で脳性麻痺(小脳低形成)と診断され、4歳からリハビリのためにバイオリン教室に通い始める。8歳で世界的バイオリニスト・中澤きみ子氏に師事してクラシックを勉強。10歳から中西俊博氏の下でポップスを学ぶ。慰問やコンサートをこなす中、自身が作編曲した楽曲を含むアルバム「孤独の戦士」で今春メジャーデビューした。

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