天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

女性の「発作性心房細動」は男性より早いタイミングで発症

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 例えば女性は、もともと親が高血圧体質だったとしても、若い頃は低血圧だったりそれほど血圧が高くないという人が多く見られます。それが30代後半から40代前半くらいになると、血管の老化などから高血圧の要素が表れ始めます。興奮したりストレスを受けたりすると一時的に血圧が一気に上昇するようになり、それが心房細動の原因になるのです。

 また女性の場合、睡眠時無呼吸症候群や歯ぎしりを含めた睡眠障害によって心房細動を発症するケースも多く見られます。

 女性は男性よりも早いタイミングで心房細動を発症しやすいということを意識して、40歳前後になったら日頃から血圧に気を配りましょう。そして、動悸や息切れを感じたらきちんと検査を受けて、自分の心臓の状態を把握しておくことが大切です。

■心臓疾患は女性の方が重症化しやすい

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

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