細胞診断は、組織ではなく剥離した細胞、つまり剥がれ落ちる細胞を観察するもので、喀痰、尿、胸水、腹水、脳脊髄液、胆汁、乳腺の分泌物などで行われます。また、がんを疑われる腫瘤に針を刺し、細胞を吸引して検体とする場合もあります。そこでがん細胞を見つけることによって、がんの診断ができます。
しかし、少ない検体で判断することから、その検体にがん細胞がなかった場合は「採取した検体にはがん細胞がなかった」というだけにすぎません。体全体の診断をしなければ「がんではない」とはいえないのです。
細胞診は尿や喀痰といった検体を採取することが患者の負担にならないという利点があります。ただ、検体の取り方などによって細胞が壊れかかっていた場合は診断できません。
細胞診断では、一般的にクラスⅠ(異常細胞は認めない)、Ⅱ(異常細胞または異型細胞を認めるが悪性ではない)、Ⅲ(悪性細胞を疑うが確定的ではない)、Ⅳ(悪性細胞を強く疑う)、V(悪性細胞と断定できる)に分けられます。
がんと向き合い生きていく