「自分が死ぬ」準備

ステージ4で5割超も 「末期がんは治療しない」という選択

樹木希林と愛川欽也(C)日刊ゲンダイ

 昨年、厚労省が公表した「人生の最終段階における医療」に対する意識調査によると、66%が指示書の作成に「賛成」と回答している。統一された書式はないが、ポイントは7つ。「心臓マッサージなどの心肺蘇生」「人工呼吸器の使用」「抗生物質の強力な使用」「胃ろうによる栄養補給」「鼻チューブからの栄養補給」「点滴による水分補給」「その他の希望」だ。どんなふうに書けばいいのか。

 聖路加国際病院内科名誉医長で「西崎クリニック」院長の西崎統氏が言う。

「それぞれについて、受けたいのか、受けたくないのかを明確に記入することが一つ。もう一つは、本人の意思を補って説明できるような人、成年後見人を記しておくことが重要です。通常は、配偶者や子供、孫などでしょう。その上で、書類は家族と共有しておくといい。私がサポートしている高齢者施設では、書類作成に私がアドバイスして、出来上がった情報は本人と家族はもちろん、施設の担当者も共有し、万が一の事態に備えています」

 家族やかかりつけ医との共有が大切なのは、書類があっても実行されない恐れがあるためだ。それで遺族が病院とトラブルになるケースがあるという。家族とかかりつけ医のサポートがあれば、事故などで大病院に搬送された時の本人の意思の説明が楽だろう。

5 / 5 ページ

関連記事