独白 愉快な“病人”たち

引退まで試合では吐き続け…小谷野栄一さん語るパニック障害

小谷野栄一さん(C)日刊ゲンダイ

 高校からはずっと寮生活で、姉がランニングシューズを買ってくれたり妹がお小遣いを送ってくれたり、家族みんなで僕を支えてくれました。

 念願のプロになって、契約金で奨学金を一括で返済できたので、「早く結果を出してこれからは家族に恩返しをしたい」「活躍する姿を見せたい」と強く思っていました。そんな気持ちを両親に打ち明けたら、「何も望んでいないのに」と言うんです。ひとりで気負っていたんだと気付かされました。

■病気を「個性」だと受け入れたことで立ち直れた

 立ち直れたのは、病気を「個性」と受け入れたことが大きかったと思います。これは自分で考えた方法なのですが、今は“ゼロ”からのスタート、毎日何かに挑戦し、それを日記に書いて自分を褒め、プレッシャーから解放するように努めたんです。

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