人生の最期をわが家で…みとり経験者が次も自宅を選ぶ理由

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「みなさんに知っていただきたいのは、自宅で最期まで過ごせるということ。これを知らない人が少なくありません」

 こう話すのは、桜新町アーバンクリニック・遠矢純一郎院長。在宅医療担当の遠矢院長は、自身の母親を自宅でみとった経験を持つ。

「もし自宅近くに往診や訪問診療をしてくれる医療機関があるなら、たとえ一人暮らしでも、終末期を自宅で過ごすことは可能です。私たちが関わった患者さんやご家族からは、『(在宅医療について)こんな制度があるとは知らなかった』という声を聞きますし、在宅でみとりを経験された方からはその後、別のご家族の在宅医療を依頼されるケースが多いのです」(遠矢院長=以下同)

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 老老介護が心配、という声もよく聞くが、制度やサービスを利用すると思っている以上に負担ではない。これまで在宅医療をした事例が身近になかったからハードルが高かったが、一度経験すると在宅医療の仕組みが見え、ぐっとハードルが下がるのではないかと、遠矢院長は指摘する。

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