独白 愉快な“病人”たち

メスを入れるのが嫌だった 村上弘明さん大腸がん振り返る

村上弘明さん(C)日刊ゲンダイ

「仮面ライダー(スカイライダー)」でデビューして以来、“俳優とは、作品を選び、社会にメッセージを与えるようなものを作っていくもの。ドラマ、映画、舞台以外のものはやるべきではない”と先輩諸氏に教わってきました。

 でも、それは周囲から刷り込まれた考えで、自分の考えじゃないことにふと気づきました。震災で変わってしまった故郷の景色を思うにつれ、「その状況に応じていくのが強く生きるということではないだろうか」と考えたら、今の時代、新しいことにチャレンジするのも悪くないと思えたんです。

 病気を機にバラエティー番組や歌にも挑戦する気持ちが芽生えました。現実のボクは決して寡黙な男ではありませんから(笑い)。 (聞き手=松永詠美子)

▽むらかみ・ひろあき 1956年、岩手県生まれ。大学入学で上京。1979年に「仮面ライダー(スカイライダー)」で主役デビュー。その後、「必殺仕事人V」「柳生十兵衛七番勝負」などに出演し、NHK大河ドラマの常連俳優でもある。テレビ、舞台、映画だけでなく、最近はバラエティーでも大活躍。同時に東日本大震災では実家が被災したこともあり、岩手県PR特使として復興支援に尽力している。

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