猛暑に気を付けたい病気

【便秘】脂質と食物繊維の不足が拍車をかけて大病を招く

クセになる前に予防しないと大病を招く

「便の70~80%は水分。夏はただでさえ体内の水分が不足して便秘になりやすいのに、体を冷やして運動も食事も不足すれば腸の蠕動運動が弱まり、便が一層出にくくなります。これに、夏に人気のそうめんなどの脂質抜きのあっさり料理が拍車をかけます。脂質抜きダイエットが流行したとき、便秘になる人が続出したのと同じです」

 脂質はその量と質が悪化すると細胞の中から外へ老廃物を出したり、細胞の外から中へ栄養素を入れたりするのに悪影響が出る。他にも体内で多くの材料に使われるため体内の代謝に異常をきたす原因となり、便秘リスクを上げるという。

「油脂には2種類あり、飽和脂肪酸は常温で固体のものが多く、肉の脂身やバターなどの乳製品などに含まれます。不飽和脂肪酸は常温で液状のものでオリーブ油や植物油、魚油に多く含まれ、血液中の中性脂肪やコレステロールの調整などに関わっています。近年、厚労省でも着目されているのが不飽和脂肪酸であるn―3系脂肪酸です。それを豊富に含む魚油は肝臓の体内時計を変化させて起床リズムを整えるほか、肥満に関わる炎症反応を予防するなどが私たちの研究でわかっています」

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