■アスリートではない一般人でもリスクあり
アスリートでなくても、その年代で冠動脈起始異常が突然死を引き起こすケースはあります。たとえば、中学生までは自覚症状もなく問題なく生活できていたのに、進学した高校が体育授業の中で長距離走などのスポーツに力を入れている学校で、急に運動量や負荷量が増えて心臓が耐えられなくなる……といった可能性も考えられます。生活環境が変われば運動量や負荷量も変わるので、一般の人でも冠動脈起始異常によるリスクはたくさんあるのです。
もっとも、冠動脈起始異常はそれほど多い疾患ではありません。当院でも患者さんは年間で3人いるかいないか程度です。しかも、突然死のリスクがあるような起始異常は、冠動脈が出ているところが本来とは1センチほどずれていて、その幅の中でいちばん極端な箇所から出ているケースです。ミリ単位でほんの少しずれているとか、血流に問題が起こらないような合流の仕方をしていれば、一生そのままで問題ありません。
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