進化する糖尿病治療法

身長・体重で「肥満」と判断されても本当は肥満ではない人

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 実際、健康意識の高い人の間では、体重ではなくLBM(Lean Body Mass)を見よう、という動きも出てます。

 LBMとは、除脂肪体重のこと。体脂肪率を測り、体重から脂肪分を引くと、筋肉や体内の水分量、臓器などの重さが出ます。LBMが高いほど、筋肉量が多いことになります。同じ体重70キロの人で、体脂肪20%と10%の人のLBMは、それぞれ56キロ、63キロ。体重を管理する場合、体重の増減に一喜一憂するのではなく、LBMを増やすことを目標にしてほしいと思います。

 さて、冒頭に戻りましょう。BMIが高いから肥満なのかどうか? 答えはお分かりですよね。BMI25だけど筋肉量が多い(体脂肪率が低い)のであればそのままで問題ないですし、筋肉量が低い(体脂肪率が高い)のであれば、筋肉量アップを目指した食事指導、運動指導が必要になるのです。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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