昨年、ベトナムを訪れた際はハノイとホーチミンという都市部の病院を視察しただけでしたので、ベトナムのような新興国でも、それなりの医療水準にあると感じました。しかし、今回訪問した地方の病院は想像以上に遅れていて、心電図がないから急性心筋梗塞の治療ができないといった環境でした。さらに、そうした状況をその地方の医者が「この地方の病院だからしょうがないんですよ」と受け入れてしまっている。こうした医者の考え方そのものも、日本とは大きく違っているのです。
日本のように全国どこに行っても保険診療で認められている水準の医療が受けられる環境は、ベトナムではありえないことであり、医者もそうした医療を提供するのが当たり前だと考えています。ベトナムのように「自分はこの地域の医者だから、この程度の医療だけを行えばいい」という医者が生まれてこない制度が整っていて、そこが日本の医療の素晴らしいところだと強く感じさせられました。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」