ようこそ!不老不死レストランへ

砂糖の脱水作用でカボチャの自然な甘味を引き出す

面取りした乱切りの栗カボチャ。三温糖をまぶし、15分おく(作り方①)/(C)日刊ゲンダイ
ハロウィーンの主役に抗酸化作用

 この季節、私が研究の拠点としているニューヨークの街角のショーウインドーには、ジャック・オー・ランタンがたくさん並べられる。ジャック・オー・ランタンとは、カボチャをくりぬいて、三角の目鼻とギザギザの口をつけた魔よけの飾り物。ハロウィーンの名物である。

 ハロウィーンはケルト文化を起源としていると考えられており、もともとは秋の収穫祭であった。つまり、ちょうど今頃がカボチャの旬だということ。春に種をまかれたカボチャは夏の光を浴びてぐんぐん成長し、実りの秋を迎える。

 カボチャはなんといってもその色合いがいい。薄く扇形に切ると、深緑の皮と濃いだいだい色の果実の取り合わせが美しく、いかにもおいしそう(ただし、ジャック・オー・ランタン用には皮もだいだい色の大玉が好まれる)。緑は葉緑素、オレンジ色はカロテン。カロテンはニンジンやマスクメロン、そしてミカンのだいだい色と同じ色素。抗酸化作用があり、ビタミンAの原料にもなる。

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