「史哉が心の支えとして挙げているのは、一つがSNSに届くサポーターの励ましで、もう一つが家族や彼女、ユースや筑波大で出会った仲間や監督、コーチ、アルビレックスの関係者のサポートです。多方面からたくさんの励ましを受けられたのは、ひたむきにサッカーを続け、プロ選手になれたからこそ。しかし、その力を受けて白血病と向き合おうとしますが、頑張りたくても頑張れない現状に直面すると、絶望を感じ、『周りの優しさに傷ついた自分が嫌だった』と語っていたのは印象的でした」
それでも不安やつらさから乗り越えられたのは、早川選手の前向きさが大きいという。
「あるとき、病室で『僕の人生に一切の後悔はない。ここで終わってもいいかな』と弱気になったそうですが、思い直します。『やっぱりこの先を見たい。もっとこの先を楽しみたい』と」
早川選手はアルビレックス新潟のユースで実績を積み、高校卒業とともにプロ入りの道もあったが、筑波大に進学する。3年の春、恩師・小井土正亮コーチに出会う。
病み患いのモトを断つ