病み患いのモトを断つ

J2新潟・早川が白血病から復帰 不安を乗り越える前向きさ

10月5日、白血病からの復帰戦で、子どもたちとタッチを交わすサッカーJ2新潟の早川史哉(C)共同通信社

「史哉は高校時代から先生や指導者になりたくて筑波大に進学しました。その後監督になる小井土さんとの出会いで、その思いがより強くなったのです。闘病中、病気に向き合ってばかりいると、心が折れます。それは、病気と闘う人ならだれしも経験することですが、そこから目をそらすのも巧みで、その軸にあるのが彼の前向きさです。周りの励ましでそれに気づくと、苦しさから抜け出す力に変えています」

■同じ病気で闘病する女子中学生との出会い

 治療は、抗がん剤を受けてから、造血幹細胞移植を行う流れだった。もっともつらかったのが、移植前に過ごした無菌室だったそうだ。

「適切な処置を施せば、家族や彼女は無菌室に入室して面会できるのですが、みんな史哉を気遣って中に入らず、ガラス越しに電話で会話していました。目の前にいるのに、同じ空間にいない孤独感。それが嫌で、『ひとりぼっちにしないでくれ』と思いつつも、『もう大丈夫だから、電話切るわ』とそっけない態度を取ってしまったそうです」

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