そもそも、心臓の外科手術は優先度が高いといえます。発作を起こして命の危機が迫っているケースはもちろん、日常生活が送れていても症状が表れている患者さんなどは、いつもと同じように手術を行います。一方、手術が望ましいとはいえまだ“待てる”時間がある患者さんには、不公平にならない形で納得してもらって延期しているのです。
■「ポストコロナ」も見据える
手術に関わるスタッフは、新型コロナに感染しないように病院が決めたルールを徹底的に順守して臨みます。救急で運ばれてきた患者さんの緊急手術をする際は、新型コロナに感染しているかどうかを確かめている時間はありません。そのため、病歴や救急時の情報から明らかに否定できない限り、「感染者」として特殊な手術室で処置を行います。担当するスタッフも、ウイルス感染の防止に対応した防護服、マスク、手袋などを使用することが決められているのです。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」