病気を近づけない体のメンテナンス

肛門<上>名医が伝授するラクラク排便法5つの極意

便秘が痔の最大の原因

 ただし、痔を近づけないよう肛門のセルフケアをしようと思ったら、非常に重要な前提がある。たとえば血便があれば、痔だけではなく大腸がんの可能性もある。40歳を過ぎたら、少なくとも2年に1度は大腸がんの内視鏡検査を受けること。その上で肛門の健康状態をチェックしてもらい、医師から生活指導をしてもらうのがいいという。

 痔を予防・改善するために重要なのは、日常生活で肛門に炎症を起こす要因を、できるだけ減らすこと。ポイントになるのは、①便通の異常②肉体疲労③ストレス④冷え⑤飲酒⑥生理⑦座業(デスクワークなど)の7つだ。

 特に①では「便秘」が痔の最大の原因となる。便秘になると硬くなった便が肛門を傷つけ、細菌感染から炎症を引き起こす。それに「いきんで出す」ので、肛門がうっ血して痔核(いぼ痔)になりやすいのだ。排便は本来、毎朝いきむことなく、自然な便意で出すことが理想。そのためには、もともと人間に備わった「起立反射」と「胃・結腸反射」が、朝起床してスムーズに起こることが大切になる。

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