進化する糖尿病治療法

7時間睡眠になったら糖質や甘いものが欲しくなくなった

睡眠は量とともに質も大事(写真はイメージ)

 英国のキングス・カレッジ・ロンドンが1日の睡眠時間が7時間未満の18~64歳の男女21人を対象に、睡眠改善のためのコンサルティングを行いました。それによって平均して就寝時間が1時間早まり、睡眠時間が30分増え、86%で睡眠時間が改善。睡眠時間が改善した人では食行動の変化もみられ、1日の糖質の摂取量が平均9・6グラム減少しました。

 キングス・カレッジ・ロンドンが行った172人を対象にした別の研究では、睡眠不足の人は1日の摂取カロリーが平均385キロカロリー多くなるという結果が出ました。日清カップヌードルが351キロカロリーになるので、カップ麺1個分に相当する量になります。

 韓国のソウル大学医学部は、13万人以上を対象に調査。調査参加者は睡眠時間が4時間以下から10時間以上と幅広く、このうち糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクが最も低かったのが睡眠時間7~8時間の人で、睡眠時間が7時間未満の人や、10時間を超える人はリスクが上昇するとの結果が出ました。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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