臨床に携わっている立場からすると、米国のCDC(疾病対策センター)のような組織が日本にも必要だと考えます。CDCは米国の連邦機関ですが、政府と独立して機能する専門家集団です。疾病の予防と管理、環境衛生に関する活動など、健康に関する信頼できる情報の提供と強力なパートナーシップを通じた健康の増進を目的として、主導的な役割を果たしています。日本にも、国立感染症研究所という国の機関があります。しかし、予算も含めた規模が小さすぎるうえ、人材も不足しています。CDCのような強い独自性はなく、指示を受けて動くことがほとんどです。今回のような未知のウイルス感染症への対応を想定した設置目的ではなかったため、自主的に機能をリセットさせて感染対策を講じたり、その先にある収束を築くことができないといえます。
今回、緊急に設置された新型コロナ対策分科会もそうですが、これでは、強い覚悟と責任感を持った「柱」は出てこないでしょう。未知のウイルスに対応するためには、やはり、CDCのような機関が必要です。
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