腹式呼吸によって内臓を包んでいる「インナーマッスル」が鍛えられることも心臓に良い影響を与えます。インナーマッスルは深層筋と呼ばれ、脊椎や骨盤を支え姿勢保持などに関わっている深いところにある筋肉です。姿勢や関節の安定性を高めるだけでなく、呼吸にも関係しています。
心臓は血液を全身に送り出すポンプの役割を担っています。インナーマッスルを含めた全身の筋肉は、心臓から送り出される血液を受け取る側で、それがしっかり活動していると血圧が安定するなど心臓の負担が減るのです。
さらに、腹式呼吸をお風呂などの湿度の高い場所で実践すると効果が高くなります。好みの香りのアロマテラピーなどと組み合わせると副交感神経が優位になる効果も期待できます。副交感神経が優位になると、心拍数が抑えられ、血管が拡張して血圧も低下するのです。
呼吸法で心臓の健康管理をする場合、日頃から心拍数=脈拍数を計測して把握しておくことをおすすめします。また、血中の酸素飽和度を計測するパルスオキシメーター(経皮的動脈血酸素飽和度測定器)があれば、腹式呼吸を何回行うと最大値に到達するかを確認しておくといいでしょう。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」