また、鏡視下手術はモニターの解像度が4Kや8Kなど高くなればなるほど手術がやりやすくなるので、優秀な外科医を育てるためには、指導する側の医療機関がいかに優れた機材を揃えられるかが重要になってきています。
■指導者側にも判断力が求められる
従来の手術での若手指導に話を戻します。基本的な手技と局所解剖の知識に問題がない若手はスタッフとして手術に参加させ、難しくない処置を実践してもらいます。
このとき、執刀医としていちばん困るのは、若手が行った処置によって手術の長期耐久性が変わってしまうことです。たとえば、冠動脈バイパス手術でバイパス用の血管採取を任せたとき、最も耐久性が高い動脈の採取をうまくできなかったとします。すると、代わりに耐久性が劣る血管を使わなければなりません。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」