ビタミンDは骨代謝に関わり骨や歯を作るのに必要なビタミンですが、近年、卵子の質や反復着床不全などとの関連も報告されてきています。不妊患者さんの血中ビタミンD値(25-OHビタミンD)を測定すると、基準値の30ng/mlを満たしている方は実に1%以下です。つまり、通常の食生活では必要量のビタミンDを摂取することは難しく、サプリメントで摂取した方が効率の良い栄養素のひとつです。またビタミンDは通常の摂取量では十分に足りていない場合も多いため、内服後に血中濃度を測ってみることもおすすめします。
動物実験では「父親の食生活が子供の健康に影響を与える」との報告があり、健康な赤ちゃんを得るためには男性の生活環境も影響する可能性があります。また不妊患者さんの中には、一見、精子濃度や運動率などの精液検査は問題ないように見えても、酸化ストレスやDNA断片化と呼ばれる精子の質を評価する検査を行うと、異常があったという方も少なくありません。精子の質の低下は受精障害や胚の発生の妨げになると言われおり、このような方には亜鉛や抗酸化作用のあるサプリメントを摂取することをおすすめします。
女性の不妊治療で何が行われているのか