すべての出会いに感謝する。苦労と握手する。この2つがしっかりできる外科医は伸びていきます。指導する側として、いつも若手に伝えていることです。
■次の患者を待たせないことも大切
ほかにも、事あるごとに教えているのが「次の患者さんを待たせない」という意識を持つことです。医師にとって大切なのは、次に待っている患者さんに対し、一刻も早く自分の能力を提供することです。
たとえば、寿司を食べにいくとして、銀座の高級寿司店と近所の回転寿司という選択肢があったとします。単純においしさだけを考えれば、銀座の高級寿司店のほうが上なのは当然です。しかし、ものすごくお腹が減っていて今すぐにでも寿司が食べたいという状況であれば、目的を果たしやすいのは近所の回転寿司です。銀座の寿司店に行く場合、空腹をこらえて銀座まで移動し、カウンター席に座り、順番に寿司ネタが出てくるのを待ってじっくり食べなければなりません。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」