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コロナで献血が激減…命を支える治療のひとつ「輸血」の重要性

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 血漿製剤の輸血は、新鮮凍結血漿から「血漿分画製剤」が作られます。これには、「免疫グロブリン」「血液凝固因子」「アルブミン」「フィブリン接着剤」などが含まれ、病気によって使い分けられます。

 赤血球や血小板輸血は凍結して保存しておくわけにはいきません。特に血小板製剤の保存期間は採血後4日以内です。

 献血者の中には、これまで何十回も献血された方がいらっしゃいます。大変ありがたいことです。白血病などの病気を克服するために、輸血はとても大切なのです。

 コロナ禍で、いまは正月でもないのに献血者が減っています。献血できるのは70歳未満の方です。献血ができる若い世代のコロナワクチン接種を急いで欲しいと思います。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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