私たちは患者さんが自分で移動したり、排泄、食事、入浴といった日常生活動作(ADL)をできるだけ保てるよう、薬の調整や輸血を実施。しかし、そうはいっても、症状が進行すればADLの能力は落ちてきます。「自力で排泄ができなくなったら終わりだ」という、患者さんの衰えていく自分を厭う気持ちや不安に耳を傾け、それらを少しずつ前向きにとらえられるようにお話しし、ポータブルトイレやおむつの提案をしていきました。
その上で病院との連携を密に実施し、病院の医師の説明と同じ説明をできるようにしました。あらゆる可能性を考え、まさに患者さんだけでなく、ご家族、病院、その他スタッフとの二人三脚で療養を進めていきました。
このときばかりは在宅医療の総合力を試されたというか、患者の生活をまるごと支えることとはこういうことなのかと、実感したのでした。
最期は自宅で迎えたい 知っておきたいこと