もう一点考えるなら、神経内分泌腫瘍(NET)化した可能性もあるかもしれません。NETは肺の小細胞がんのような性質を持つことが知られています。前立腺がんが進行しながら、元の性質を変えてNET化し、肺などに転移することが注目されているのです。
NET化した前立腺がんの治療は、肺の小細胞がんと同じ治療を行い、抗がん剤のシスプラチンとイリノテカンを併用します。それでも進行が極めて速い。1年生存率は27%、2年生存率は10%とされます。
がんは、早期発見を心掛け、病理検査を欠かさず、その性質に即した治療を選ぶこと。西郷さんの闘病生活は、その重要性を物語っていると思います。ご冥福を祈ります。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵