一般の胃がんは粘膜に潰瘍などができるため、内視鏡やX線などで確認しやすく、早期発見が可能です。ステージ1で手術すれば、9割以上が治ります。
これに対しスキルス胃がんは、潰瘍などを作らずに粘膜の下で広がるのが特徴です。内視鏡で見つけるのは困難で、しかも進行が速く、発見時には腹膜などに転移していることが珍しくありません。転移のないステージ1で見つかっても、5年生存率は15%ほど。一般の胃がんとは違い、厄介ながんです。
一般の胃がんはピロリ菌や喫煙などの影響で長い時間をかけて潰瘍ができ、がん化します。50代から増えはじめ、80代にピークを迎えるのはそのためです。女性との比較で喫煙率が高い男性にも多い。
スキルス胃がんはピロリ菌とはほとんど関係がありません。20代、30代の若い方や女性にも発症することがあります。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵