新型コロナ第6波をどう過ごすか

コロナ禍で死因はどう変化したのか 最新人口動態統計で比較

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 目立つのは「老衰」の12万3426人(同1万6673人増)。厚労省が発行する「死亡診断書記入マニュアル」によると、老衰とは高齢者で、ほかに記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死とある。以前とは異なり医療現場では高齢者は無理して治療せず、自然な死を受け入れるようになったせいとされるが、それだけが原因なのか。

 一方、この間減ったのは「肺炎」の6万373人(同4592人減)、「胃がん」の3万4562人(同449人減)など。ただし、肺炎の中でも「誤嚥性肺炎」は4万687人(同5994人増)と急増している。巣ごもり生活で活動量が減ったことで食事の量や回数が減ったり、人との話をする機会が減ったことが影響したのではないか。

「不慮の溺死・溺水」の5338人(同180人減)、交通事故の2820人(同150人減)も減った。インフルエンザは新型コロナウイルス感染者数の増加と反比例して感染者数は激減したが、それでも16人(同925人減)亡くなっていた。

 長期間の行動制限の副作用は数年経ってから表れるという。一時的な行動制限効果は否定しないが、ウイルスが変化するなか、いつまで長期の行動制限生活を続けるのか。そろそろ議論すべきではないか?

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