独白 愉快な“病人”たち

大腸がんと闘う漫画家ひるなまさん「検査画像の“サイン”にピンときました」

ひるなまさん(自画像=本人提供)

 その甲斐あって、予後不良と言われる腹膜播種のコントロールに成功し、一時は末期がんの看板を下ろしたんです。でもじつは再発しまして、また末期がん患者として治療中です。

 月に2~4回通院し、抗がん剤の点滴と、服用薬を今は8種類くらいもらっています。そのうちの2種類は整腸剤、2種類は吐き気止め、2種類は痛み止め(頓服)です。

 がんについて明るく話せるのはポジティブなのではなく、無常観による諦めが強いだけかもしれません。どうせ人はいつか死ぬのだから、どうせ運や偶然には勝てないのだから、どうせ矮小な人間ごときが世界のすべての要素を知りつくし計算しつくし努力しつくして常に完璧な結果に満足しつくすことなどありえないのだから……。だから期待しすぎずほどほどに楽しく頑張ろう、そんな感じで生きております。

 コロナ禍で検診や受診を控える方も多いでしょうが、読者の方には頃合いを見てちゃんと検診に行ってほしいと強く言いたいです。あとがん保険も、億万長者でもない限りは、数百円のオプションでもいいので入っておくといいと思います。私も保険がなければ、今ごろ金銭的理由で治療を妥協していたかもしれません。

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