治療薬が出始めてきたのも大きい。今年の4月1日時点で、国内で承認されている治療薬は8種類、開発中が4種類である。飲み薬タイプのものも開発されており、あと数カ月もすれば、安定的に供給されるはずである。
以上のように、ウイルス側はウィズ・ヒューマンに歩み寄っており、医学・医療は急ピッチでウィズコロナの体制を整えつつある。その意味で、新型コロナのパンデミックは終息に向かいつつあると言っていい。
あと残っているのは、人間側がつくった「制度の壁」だけである。
日本においては、新型コロナはいまでも感染症の2類相当に指定されている。そのため感染者の隔離・入院や濃厚接触者の行動制限、感染者数・死亡数の全数報告などを続けなければならず、正常な社会活動・経済活動の再開にとって、大きな足かせとなっている。
これからゴールデンウイークを迎える時期に、感染者が再び増え始めている。2類から5類(季節性インフルエンザ相当)への変更を行うか、まん延防止措置を再発動するかの瀬戸際を迎えている。
政府や専門家たちの冷静な判断を期待するしかない。