認知機能の評価は「長谷川式簡易知能評価スケール」や「ミニメンタルステート検査」といった神経心理学検査で行います。ここでは、今日の日付や場所などの認識、単純な計算や字を読んだり図形を描いてもらうなどの作業をしたりします。脳画像検査では、脳の形態から脳の萎縮の度合いを調べ、認知症の鑑別診断をしていきます。
ここで現実的な話をします。自ら「変化」を自覚し、勇気を持ってせっかく受診をしても、たいていの場合、検査結果は「異常なし」となるかもしれません。「なんだ、それなら病院に行く意味がないじゃないか」などと思わずに、どうぞこのまま読み進んでください。
■前段階では「変化」は明らかではない
認知症には、「認知症の前段階」があります。軽度認知障害(MCI)であり、さらにその前の段階である主観的認知機能低下(SCD)です。
認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う