特に来てほしいと考えているのは、40~50代。夕方から夜にかけて行うことにしたのも、これら働く世代が仕事終わりに参加して欲しいからです。
認知症対策をテーマとした講演会や勉強会、市区町村の催し物となると、参加者のほとんどがご高齢の方々。同年代に認知症を発症する方が出てきて、ようやく「自分のこと」として捉えられるからでしょうが、この欄で幾度となく紹介しているように、本気で認知症を回避したいなら、認知症の発症年齢になってからでは遅いです。
認知症の大多数を占めるアルツハイマー病の原因物質、アミロイドβは20年以上かけてゆっくりと蓄積されます。アルツハイマー病の発症年齢は、平均65~80歳。早い人では40代から蓄積し始めているのです。
もちろん、蓄積してからでも対策はありますが、蓄積する前と後とでは打てる対策の数に開きがありますし、効果の度合いも違うと考えられます。世界的な医学雑誌ランセットでは、認知機能低下リスクの早期予防という観点からは、自身の物忘れに気づく40~50代のうちに対策を始めることが有効と提唱しています。
認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う