上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

心臓にトラブルを抱えている人の正しいエアコンの使い方

天野篤氏(C)日刊ゲンダイ

 アレルギーは、体内にアレルゲン=異物が入ってきたときに排除しようとする免疫反応が過剰になり、体にとってマイナスになる症状を引き起こす状態です。アレルギー反応によって体のどこかで炎症が生じると、放出されたサイトカインが全身の臓器や血管にダメージを与え、動脈硬化を促進したり、血栓ができやすくなったりします。また大動脈で炎症を起こしている部分があると、サイトカインの影響によってさらに炎症が進み、動脈瘤が急激に膨れて突然死を招くケースもあります。

 ですから、心臓疾患をはじめ病気をいくつも抱えている人は、経済的に大きな負担にならないようなら、温度管理だけでなく空気清浄機能を備えた新しいタイプのエアコンを使うことをおすすめします。

■急激に体を冷やすと心臓や血管にダメージを与える

 2つめの注意点は、エアコンで急激に体を冷やさないようにしてください。たとえば気温が高い屋外から帰宅した際など、エアコンの風量を“最強”に設定するのは避けましょう。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

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