3つ目の注意点は就寝時のエアコン使用です。心臓はもちろん、健康維持のためには睡眠が何より大切です。自分が睡眠をとりやすい環境をつくるためにエアコンを使うのです。一般的には就寝時は少し高めの温度設定にしてエアコンをつけっぱなしにして就寝するのが望ましいとされています。細かいタイマー設定ができるなら、気温が下がる深夜はオフ、気温が上がる時間帯に合わせて自動的にオンになるように設定するのもいいでしょう。自分が夜間にリラックスできる環境温度を探し、エアコンを利用してそれをつくるパターンを学んで実践するのです。
エアコンは、近年の温暖化による環境温度上昇の下では健康維持のために重要な家電です。とくに、いくつも薬を飲んでいる人は、適正に使用することが求められます。薬というのはだいたい飲む時間が決まっているものです。服薬して一定の効果を出すためには、それに合わせて自分の体の“条件”を整えておかなければなりません。薬の効果をきちんと発揮させるには、睡眠、食事、排泄、水分量などをきちんと保つことが欠かせないのです。
生体の不感蒸泄など自ら意識できない生体変化が時には重篤な疾患の発症のきっかけにさえなります。ですから、エアコンは「自分を守ってくれる家電製品」であると見直すことが必要です。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」