血糖値を下げる作用がある糖尿病のクスリを使っていると、低血糖のリスクはどうしてもつきまといます。ここで問題になるのは、症状の出方が患者ごとに大きく異なることです。冷や汗が出る人もいれば出ない人もいますし、いっぺんに複数の症状が出る人ももちろんいます。
一番困るのは、まったく症状が出ない人もいることです。冷や汗やふるえなどの症状がある場合は、すぐに対処ができます。しかし、中にはいきなり意識障害から始まる人もいて、私もこれまでに数例の患者さんで経験しています。低血糖は、みなさんが考えている以上に体に負担がかかっています。ですから、速やかな対処が重要です。
低血糖を起こした場合の対処法は、「糖質を摂取して血糖値を上げる」ことです。アメやジュースなど糖分を含むものを摂取してしばらく休んでいると、比較的速やかに低血糖の症状は改善します。ただ、クスリの種類によっては普通の糖質ではなくブドウ糖を摂取しなければならないものがあるので、クスリの説明書をしっかり読んで確認してください。
高齢者の正しいクスリとの付き合い方