認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う

「生涯健脳相談士」「生涯健脳指導士」は認知症予防のサポーター

写真はイメージ

■「ちょっとした変化」に気づいて対応

 国の政策として厚労省が養成講座を開いているものに「認知症サポーター」がありますが、これは認知症と診断された人のケアをするもの。

 一方、生涯健脳相談士と生涯健脳指導士は、軽い物忘れが気になった時(認知症と診断される前)に、気軽に相談できる役割を担います。いわば認知症予防のサポーターです。

 初級の生涯健脳相談士には、ドラッグストア、コンビニ、スーパー、金融・保険業、住宅産業、宿泊業など、SCD・MCI・認知症の方と接する機会の多いサービス業の従事者に取得してもらうことを想定しています。また、上級の生涯健脳指導士は、相談士からのステップアップを望む人と共に、医療・介護・行政の専門職が対象で、相談士の役割に加え、認知症の2次、3次予防の実践的医学的指導ができる資格としています。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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