老親・家族 在宅での看取り方

一人暮らしだけど一人じゃない 愛する猫と最期まで過ごしたい

写真はイメージ

「そうだったんですね」(私)

「人にむくみと黄疸だって言われて」(患者)

「それはお友達に言われたの?」(私)

「そうです。5日くらい前で、A病院まで今日は電車で行ったけどさ、今までは自転車で行ってました」(患者)

「すごいですね。食事はどう? 自分で用意して?」(私)

「はい、半分しか食べられてないけど」(患者)

 余命を宣告されてもなお、こうして気丈にお話しする患者さんの願いは、ただひとつ。大好きな家族である、愛する猫たちに見守られながら自宅で最期を迎えたいということでした。

「安心してください。人生最後までお家で過ごすことができますから」

 そんな私の言葉に対し、浮かべられた安堵の表情が非常に印象的でした。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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