認知症を予防する補聴器のすべて

もっと早く補聴器を使っていたら社会生活がより快適だった

「もっと早く使っていたら良かった!」(C)PIXTA

 警備の仕事をされており、建物の中なら比較的声を聞き取りやすいが、声の音程や話し方によっては、聞き取りにくい人もいる。また、後ろから話しかけられると聞き取れず、雑踏の中では対面の会話も分かりにくい。いろいろなシーンで聞きづらい中、夜勤もあり、日々仕事をしたり同僚と話したりするときに前向きな気持ちが持ちづらい、ということでした。

 補聴器をお試ししてもらい、購入後も2カ月程度調整に通っていただきました。すると、今まで聞き取りにくかった同僚の話が分かるようになり、以前は想定してない固有名詞が出てくると聞き取れなかったのに、今は聞き取れるようになったと言います。何より、仕事の指示が聞き取れないかもしれないとビクビクしなくなり、同僚と何げない話に加わることに抵抗感がなくなった、ということでした。

 聞こえというのは、人間関係や社会生活と密接に関わっています。補聴器は聞こえを改善する機器ですが、聞こえを改善することで、人ともっと話したいと思えたり、仕事に前向きになれたり、趣味を楽しめたりする原動力になると私は考えます。

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田中智子

田中智子

シーメンスの補聴器部門でマーケティングの勤務を経て、2020年補聴器販売会社「うぐいすヘルスケア株式会社」設立。認定補聴器技能者資格保持。

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