ひと頃、サルノコシカケはがんに効くとか、キノコを食べる家庭ではがんが少ないとかいわれたことがあったように思います。キノコは免疫力を活性化させるのではないかというのです。キノコに含まれる多糖類のβ-グルカンは免疫力を上げる、アレルギーを予防する、コレステロールを下げる……などと聞いた記憶があります。
■「免疫賦活剤」という言葉もあまり聞かなくなった
以前、キノコからがんの薬が製造されました。カワラタケからつくられたクレスチンは、胃がんや大腸がんの化学療法との併用により生存期間の延長が、小細胞肺がんに対しては化学療法との併用で奏効期間の延長が得られたとして市販されてきました。しかし、2017年に製造販売中止となっています。
また、シイタケからつくられたレンチナンという薬剤(静脈注射)は、テガフールという抗がん剤(経口投与)との併用で生存期間の延長効果があるとされてきましたが18年に販売中止となっています。
がんと向き合い生きていく