認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う

一度で三度楽しめる「旅行」は脳の健康維持にも効果的

脳の活性化に旅行はうってつけ(写真はイメージ)

 お得に旅行ができる全国旅行支援割。これを利用して、旅行に出かけた人、出かける予定の人も多いのではないでしょうか。先着順のために売り切れになっていたけれど、再度受け付けを開始したところもあると聞きます。コロナ対策には気をつけつつ、存分に旅行を楽しんでもらえればと思います。

 認知症対策としては、旅行は大いにお勧めしたいところ。旅行には、脳に対していい作用がたくさんあります。

 どこかに出かけようと思ったら、そのプランを立てるところから始まりますよね。どの地域に出かけるか、どういう交通手段を使えばいいのか、最もお得に行ける方法は何か? 現地の名物、訪れようと思っている先の休業日や予約が必要かどうか、いくらかかるのか、など。まずは情報収集をしなければなりません。

 個人旅行なら、インターネットを使えば大量に情報が集まります。書店に行けば、旅行本が何冊も並んでいます。旅行会社の方にお世話になるにしたって、担当者と会話を交わし、相手の方が提示する内容を吟味し、同行者がいるなら何がいいかを話し合い、決定しなくてはなりません。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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