正月の「餅トラブル」と対処法 高齢者だけでなく若い人も注意

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■腸閉塞で入院したり死に至るケースも

 また餅は、喉は無事に通過できたとしても腸に詰まることも少なくない。実際、「正月便秘」の中には餅を腸に詰まらせている人も多く、その中には腸閉塞で入院するケースもある。

「餅による腸閉塞で共通しているのは、よく噛まずにのみ込んだ場合です。お年寄りの場合は、入れ歯に餅がくっつくのを嫌って、入れ歯を外して餅を丸のみして腸に詰まるケースが多い。餅が温かく、変形しやすい状況では胃の出口を通過しますが、小腸内で温度が低くなると腸管壁にくっついて硬くなることで腸閉塞が起こると考えられています。餅を食べて1日以内に発症することが多いとされています」

 そもそも腸閉塞は何らかの原因で、腸の中で食べ物や消化液など内容物の流れが止まってしまう状態のこと。腸管が閉塞すると食べ物だけでなく消化液もたまってしまい、腸が膨れてくる。そのため腹痛、嘔吐、便秘、おならが出ない、お腹が張るという症状が現れる。腸管に消化液がたまったままだと脱水や電解質異常が現れ、重篤だとショック状態や意識障害を起こし、死に至ることもある。

 おめでたいお正月だからこそ、食べ物によるアクシデントには注意したい。

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