がんと向き合い生きていく

がん患者が生きがいを感じながら働けているか…繰り返し調査が必要

写真はイメージ

 近くの神社での初詣は、元旦は避けて3日目の昼にしました。それでも30分くらい列に並びました。「家内安全」と「がん患者の早い回復」の祈りです。昨年の破魔矢をお焚きの場所に置き、新しいものを買い替えました。

 正月は、たった一人の孫、3歳になったばかりの男の子が来てくれました。一番の楽しみでした。毎週、送られてくる動画では会っていましたが、やっぱりじかに会うのが最高です。みんな健やかであることが一番大切とつくづく思いました。

■かつての患者から年賀状が届いた

 40歳女性のAさんから届いた年賀状は、うれしい知らせでした。

「がんと診断されてから、再発なく、昨年で5年経ち、6年目に入りました。万歳です。いろいろ相談にのっていただきまして、ありがとうございました。職場の部署は替わりましたが、うまく働けています。息子は今年で小学6年生になります」

2 / 4 ページ

佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

関連記事