高齢者の正しいクスリとの付き合い方

目薬をいくつも使っている人は立て続けに点眼してはいけない

目薬と目薬の間は5分ほど空ける(C)日刊ゲンダイ

 複数種類の目薬を点眼する必要がある場合、立て続けに点眼したくなる方もいらっしゃるでしょう。しかし、目薬は点眼してすぐに効果が出るわけではなく、クスリの成分が目に浸透することで効果を発揮します。複数種類の目薬を立て続けに点眼してしまうと、浸透しきれなかった分が目からあふれ出てしまいます。また、それによって目に浸透するクスリの成分の量も少なくなってしまい、結果としてクスリの効果が低下します。

 こういったことを防ぐために、目薬と目薬の間は5分ほど空けるようにしましょう。5分あればクスリの成分のほとんどが浸透するので、次の目薬を点眼しても問題ありません。つまり、目薬の種類が増えれば増えるほど点眼にかかる時間も増えることになりますが、クスリの効果を十分に発揮して目を守るためには必要な時間だと理解して、しっかり正確に点眼していただけるとうれしいです。

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東敬一朗

東敬一朗

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

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