高齢者の正しいクスリとの付き合い方

目薬をいくつも使っている人は立て続けに点眼してはいけない

目薬と目薬の間は5分ほど空ける(C)日刊ゲンダイ

 もうひとつ、目薬のボトルについてです。1本で両目に点眼するのは避けたほうが望ましいといえます。目には細菌が生息している場合があり、またそれが右目と左目で違っていることもあります。1本のボトルで両目に目薬を点眼し、仮にボトルの先端がまつ毛などに触れてしまうと、片方の目にしかいなかったはずの細菌が反対の目に伝染してしまう可能性があるのです。

 こうしたケースを防ぐためには、ボトルの先端をどこにも触れさせないというのが大原則となりますが、誰しも「あっ!」ということもあるでしょう。そのため、目薬のボトルごとに右目専用、左目専用を決めておくほうが安全です。

 目薬は正しい使い方ができて初めてその効果を十分に発揮します。いま一度、ご自身の点眼のやり方を見つめ直してみてはいかがでしょうか。

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東敬一朗

東敬一朗

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

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