ただ、認知機能が著しく低下してからでは遅い。また前述の通り、アルコールは認知症に関連するほかの病気の原因にもなりますから、対策が遅れるほど、ほかの病気を併発しやすくなり、そうすると打つ手が限られてしまいます。
アルコール性認知症の治療には、断酒は外せません。必要に応じて、アルコール性依存症の治療にも用いる薬の投与も検討します。
加えて、アルコールの大量摂取で脳はビタミンB1、B12、葉酸などが不足しているため、栄養バランスの良い食事を取り、生活リズムやスタイルを規則正しいものにする。
今は、ノンアルコールドリンクもさまざまな種類が出ています。「最近のノンアルはおいしいので、お酒を飲みたい気分を十分に満たせられる」という話も聞いたことがあります。もの忘れが気になる場合は、1歳でも若いうちから、どうお酒と付き合っていくか、考え直してほしいですね。
認知症治療の第一人者が教える 元気な脳で天寿を全う