第一人者が教える 認知症のすべて

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 例えば、北海道函館市。人口25万2647人のこの市は、高齢化率が35.7%。「高齢者が何歳になっても元気で活動的な生活を送ること」を支援するため、民間のフィットネス事業者や音楽教室などに委託し、介護予防教室を開いています。場所は、市内のフィットネスクラブや公共施設などで、住民の参加状況は、1回当たり10~30人程度。

 高齢化率38.1%の鳥取県伯耆町では、町内の医療機関に所属する作業療法士が「とっとり方式認知症予防プログラム」の教室を開いています。

 このプログラムは、鳥取大学、伯耆町、鳥取県が連携し、鳥取大学医学部の浦上克哉教授が中心となって、県独自の認知症予防プログラムとして開発したもの。週1回程度の実施で、1回当たり12人ほどが参加。 

「事例集」では、ほかにも東京都足立区、大分県竹田市などが紹介されています。

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新井平伊

新井平伊

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

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