認知症の精神症状として珍しくない幻覚・妄想ですが、認知症以外の病気でも起こります。てんかん、脳血管障害、脳腫瘍、ナルコレプシー、脳炎、頭部外傷、代謝性および中毒性脳症……。幻覚を伴うことがある病気はいくつもあります。なお代謝性および中毒性脳症とは、肝性脳症、ウェルニッケ脳症などです。
また、高齢者の幻視で「虫が見える」といった時、飛蚊症の可能性も。目の前に蚊やゴミのような物が飛んで見えたりする病気で、加齢とともに患者数が増えます。
ほとんどの飛蚊症は放っておいても心配ありませんが、網膜剥離や網膜裂孔、眼底出血など失明に至る病気の前兆として現れる飛蚊症もあるので、眼科医での検査が必要です。
第一人者が教える 認知症のすべて