香川大医学部のグループは、子宮がんを全摘した12人と夫との関わりを調査。2020年の「香大看学誌」第24巻第1号に発表しています。
それによると、術後に女性性喪失感を自覚していたのは5人。そのうち2人は、診断時まで子育てや家事などでギクシャクしていて夫婦関係に距離がありました。ところが、「生きてほしい」と言われたり、一心に気遣ってくれたりしたことに愛を感じ、喪失感のつらさや不安が癒やされたことで、夫婦の距離が縮まり、夫婦関係を再構築できたといいます。
残りの3人は診断前まで夫婦関係が良好でしたが、夫のサポートの有無が明暗を分けました。1人の女性は夫につらさをぶつけると、夫は狼狽(ろうばい)。その夫は元々、女性への理解が浅いこともあり、その後、女性は苦しさを表に出せなくなり、術後は女性性を感じさせるものに怒りを感じたといいます。
Dr.中川 がんサバイバーの知恵