そして、ここで重要なのは、認知症で起こっているあれやこれやをすべて一緒にして、「困った、困った」としないこと。起きている内容に対して、対処は異なります。物盗られ妄想であれば、前述のように、まずは許容し、相手に寄り添う。
通販で不要なものを購入することに対しては、現実的な対応を。通販会社に連絡し、勝手に購入できないよう手続きを取る。
そして何より重要なのは、認知症患者を多く受け入れている医師の診断を受け、患者さんの状態に応じた対策を講じること。認知機能の低下のスピードを緩める薬が必要な場合もあれば、夜眠れていない患者さんにはその原因を探り睡眠を取れるようにすることが必要な場合もあります。対応はさまざまです。
男性によくよく聞くと、お母さんは病院に行っておらず、実は認知症のきちんとした診断もまだ受けていませんでした。「心配だから、一緒に病院へ行こう」と、お母さんに働きかけるところから始めると、男性は話していました。
第一人者が教える 認知症のすべて