Dr.中川 がんサバイバーの知恵

俳優の三宅弘城さんは妻の看取りを告白…末期がんの激痛は拠点病院の支援室に相談

自宅での妻の見取りを告白した三宅弘城さん(C)日刊ゲンダイ

 痛みが強いケースは在宅緩和ケアに入る前に、この神経叢ブロックをすることがお勧めです。すい臓がんは毎年約3万8000人が亡くなりますが、神経叢ブロックを受けるのは300人ほど。効果的な治療法が知られていないためです。

 乳がんや前立腺がんなどが骨に転移した場合も痛みがつらいですが、放射線で最大9割が緩和できます。これも知らずに苦しんでいる方が少なくありません。

 前述の調査で在宅日数は平均40日。限られた時間を有意義に過ごすにはこれらの治療法を検討するのが無難です。全国のがん診療連携拠点病院には、がん相談支援室があります。支援室は病院の患者でなくても利用できるので、分からないことは相談するとよいでしょう。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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